第3005回 勝ち組と負け組

September 3, 2013 § 2 Comments

Brazil

太平洋戦争後、日系人が多くいたハワイやブラジルでは
「勝ち組」と「負け組」というグループが出来た

「勝ち組」は、日本が戦争に勝ったと信じる集団
もしくは負けたということが信じられない集団
「負け組」は、負けたと知っている集団

「勝ち組」と「負け組」はお互いに激しく憎み合い
(といってもほとんどは勝ち組が負け組を迫害するというパターンだが)
一部では殺し合いにまで発展した

そのような現象が起きたのは
両国とも戦時中は日本語の出版等が禁止されたのと
主に一世の日系人は英語やポルトガル語が出来なかったため
現地の新聞が読めなかったためである
仮に読めたとしても、日本の敗戦を書く新聞はプロパガンダと思ったのだろう

「勝ち組」と「負け組」の抗争は、終戦後も10年以上続き
ブラジルでは1970年代まで、勝ち組が多く存在したという

この現象が日本人だけに特有の現象なのかどうかが、とても気になる

第3004回 Judo

August 22, 2013 § Leave a comment

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不祥事が世間を賑わせている柔道協会
増田俊也氏の大作「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読むと
戦前から戦後への柔道の流れがよくわかる

現在日本及び世界で普及している柔道は
多くの流派の一つであった、講道館という私団体の武道競技であり
元々の柔道(かつては柔術と言われていた)とは大きく異なった形となっている
そもそも、講道館柔道は柔道/柔術のごく一部にしかすぎない

戦前の柔道は、主要な流派としては
講道館柔道、寝技を重視した高専柔道(七帝柔道)、武道的側面を重視した大日本武徳会の三つの勢力があった
高専柔道は戦後大会が開かれなくなり
大日本武徳会はGHQによって解散させられたので
講道館が唯一の柔道流派となったのだ

一党独裁や一社独占になると
こういう概念のすり替えと歴史の捏造もしくは隠蔽が必ず起こるのだ
この柔道のエピソードは、非常に示唆に富んでいる

第3003回 Second Toughest In The Infants

August 16, 2013 § 2 Comments

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90年代を象徴する音楽家を挙げるとすれば
Underworldを一番に推したいと思う

特に秀逸な作品は、事実上のファーストアルバムである
“Dubnobasswithmyheadman” (1993)
と次作の
“Second Toughest In The Infants” (1996)
であるのは間違いない
(後者の国内盤を「2番目のタフガキ」と訳したのは大きな間違いだったと思うが)

芸術の評価というのはある程度の時間が経たないと確定しないと思うが
リリースから20年経ち、あらためて彼らの作品の意味の大きさがよくわかる
テクノのムーブメントにまさに火がつこうとしている草創期にリリースされ
単なるフロアトラックに留まらず、時代の空気を凝縮して反映している作品は、なかなか他には見当たらない
また、80年代のニューウェイヴ的なメランコリックなテイストも楽曲に大いに取り入れられている

Underworldは音楽だけでなく、デザインや文学、映画にも大きな影響を与えた
彼ら自身が、自分たちの作品の美しいデザインワークを全て手がけたTOMATOの創立メンバーでもある
世界的大ヒット”Born Slippy Nuxx”がサウンドトラックに使われた映画”Trainspotting”、
その原作者のアーヴィン・ウェルシュや監督のダニー・ボイルも、90年代以降のUKの大きな文化的な潮流の中心人物となった

そういった時代の象徴がUnderworldであり、この2枚のアルバムだ

第3002回 Hiroshi Nagai

August 11, 2013 § Leave a comment

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伊勢丹のDMOギャラリーでやっている永井博展を見学
永井博さんのイラストは、大瀧詠一や山下達郎のジャケットが有名だが
僕が最初に見たのは、中学生のときで
(有料の)ポケットティッシュに印刷されたイラストだった
ミニマルな画法でありながら物語感を感じさせる独自のスタイルに大きな衝撃を受けたことを今でも覚えている

永井さんと同じ時期に活躍した鈴木英人さんの作品もそうだが
アメリカ的な文化や風景への憧れやロマンチシズムがその作品の根底に流れている
戦後、昭和が終わる時代まで日本で主流であった意識と呼んでいいかもしれない

そういう美意識が、平成そして21世紀の現代の日本には
ほぼ微塵もなくなったことに、あらためて驚く
もはや欧米文化は、無条件に憧れ礼賛する存在ではない

とはいえ、永井さんや鈴木さんの作品が色褪せることももちろんなく
それらはエバーグリーンな輝きを放ち続けている

第3001回 Triumph

July 30, 2013 § Leave a comment

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7月21日の参議院選挙東京選挙区で、山本太郎氏が66万票を獲得して当選
自民公明が圧勝した中で、脱原発派、脱被曝派のみならず
不安を持ち苦しんでいる多くの人々に大きな希望を与えた

山本太郎のクレバーさ、ブレのなさ、真っ直ぐさ、愚直な意思の強さは
もはや他の政治家とは比較にならないレベルだ
前回衆院選、石原伸晃がいる東京8区で出たのは、玉砕覚悟の壮絶な戦いであったが
今回も最激戦区と言われる東京選挙区をあえて選択
民主党のエース、将来の首相候補と言われた鈴木寛をがっぷり四つで破り、3位で当選した
どこの政党からの誘いも断り、無所属(=山本太郎だけの党である新党「今はひとり」)で出ていることも
彼の賢明さと勇気の表れだ

僕の中では、山本太郎の存在はもはや、ガンジーやイエスと同列だ
それくらい勇気のある行動を取っているし、彼の言葉の持つ力は、明らかに他の誰とも際だって異なり、とても強い
彼自体が時代に選ばれた存在でもあるし、現在の日本の救いになっている
そういう意味で考えると、山本太郎が当選した今回の参議院選挙は
有史以来の日本という国の歴史に残る出来事であったと言える

第3000回 Mission

July 14, 2013 § Leave a comment

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ヒロシマ、ナガサキの原爆投下に続くフクシマの原発事故で
我が国日本は、核戦争と核汚染事故を共に経験した唯一の国になった
日本という国が、核や放射能に何らかのカルマがあるのだろうか

原爆投下も、レベル7の放射能事故も、普通の国ではほぼ経験できない大惨事だ
当然ながら、災害というものは、経験者や当事者でないとその過酷さは理解できない

日本以外の海外の国の人には、原爆の被害や原発事故の影響の深刻さは
データや東経では理解できても、実感としては多分わからないし
その防止のために全てを犠牲にする、という感覚も少し遠いと思う
チェルノブイリ事故の悲惨さが、ウクライナやベラルーシ以外の国の人には深く理解できないのと同じだ

つまり、日本人は、核の恐ろしさを世界に伝える使命を負っているのである
日本人が伝えなければ、誰も知ることができない

第2999回 Election

July 7, 2013 § Leave a comment

2013年7月21日、第23回参議院選挙
無所属で山本太郎氏が東京選挙区から
三宅洋平氏が緑の党から比例代表で出馬

力のある政党の公認をもらうことなく選挙に出ることは
落選という不名誉と多額の出費、借金を覚悟することであり
非常に勇気のいる行動であることは言うまでもない

被曝や放射能問題に完全に口をつぐんでいる
もしくは安全だと洗脳されている現在の日本の状況は
完全に異常だ

出馬する二人の勇気を大いに称えたい
そして、二人の当選に向け最大の協力をしたいと思う