第3009回 Chandler and Murakami
December 1, 2013 § Leave a comment
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
遅ればせながら拝読
今年リリースされた最新の長編小説である
村上氏は、はっきりと好き嫌いが分かれる独特の文体で小説を書くことで有名だが
今回あらためて彼の最新小説を読んでみて
その文体と手法が、村上氏がリスペクトするレイモンド・チャンドラーの影響を大きく受けた
もしかするとチャンドラー作品へのオマージュ的に書かれたものではないかと
深く確信するようになった
村上氏は、チャンドラー作品の「新訳」として
「ロング・グッドバイ」「リトル・シスター」「さよなら、愛しい人」、「リトル・シスター」
を訳し直している。
とてつもなく時間のかかる長編小説の翻訳にかける情熱と意欲は
ノーベル賞候補となっている超売れっ子作家の行動とは思えない
村上氏自身も、自分の作品は
チャンドラーへのオマージュとして読んでほしいと思っているかもしれない
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