第3004回 Judo

August 22, 2013 § Leave a comment

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不祥事が世間を賑わせている柔道協会
増田俊也氏の大作「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読むと
戦前から戦後への柔道の流れがよくわかる

現在日本及び世界で普及している柔道は
多くの流派の一つであった、講道館という私団体の武道競技であり
元々の柔道(かつては柔術と言われていた)とは大きく異なった形となっている
そもそも、講道館柔道は柔道/柔術のごく一部にしかすぎない

戦前の柔道は、主要な流派としては
講道館柔道、寝技を重視した高専柔道(七帝柔道)、武道的側面を重視した大日本武徳会の三つの勢力があった
高専柔道は戦後大会が開かれなくなり
大日本武徳会はGHQによって解散させられたので
講道館が唯一の柔道流派となったのだ

一党独裁や一社独占になると
こういう概念のすり替えと歴史の捏造もしくは隠蔽が必ず起こるのだ
この柔道のエピソードは、非常に示唆に富んでいる

第3003回 Second Toughest In The Infants

August 16, 2013 § 2 Comments

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90年代を象徴する音楽家を挙げるとすれば
Underworldを一番に推したいと思う

特に秀逸な作品は、事実上のファーストアルバムである
“Dubnobasswithmyheadman” (1993)
と次作の
“Second Toughest In The Infants” (1996)
であるのは間違いない
(後者の国内盤を「2番目のタフガキ」と訳したのは大きな間違いだったと思うが)

芸術の評価というのはある程度の時間が経たないと確定しないと思うが
リリースから20年経ち、あらためて彼らの作品の意味の大きさがよくわかる
テクノのムーブメントにまさに火がつこうとしている草創期にリリースされ
単なるフロアトラックに留まらず、時代の空気を凝縮して反映している作品は、なかなか他には見当たらない
また、80年代のニューウェイヴ的なメランコリックなテイストも楽曲に大いに取り入れられている

Underworldは音楽だけでなく、デザインや文学、映画にも大きな影響を与えた
彼ら自身が、自分たちの作品の美しいデザインワークを全て手がけたTOMATOの創立メンバーでもある
世界的大ヒット”Born Slippy Nuxx”がサウンドトラックに使われた映画”Trainspotting”、
その原作者のアーヴィン・ウェルシュや監督のダニー・ボイルも、90年代以降のUKの大きな文化的な潮流の中心人物となった

そういった時代の象徴がUnderworldであり、この2枚のアルバムだ

第3002回 Hiroshi Nagai

August 11, 2013 § Leave a comment

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伊勢丹のDMOギャラリーでやっている永井博展を見学
永井博さんのイラストは、大瀧詠一や山下達郎のジャケットが有名だが
僕が最初に見たのは、中学生のときで
(有料の)ポケットティッシュに印刷されたイラストだった
ミニマルな画法でありながら物語感を感じさせる独自のスタイルに大きな衝撃を受けたことを今でも覚えている

永井さんと同じ時期に活躍した鈴木英人さんの作品もそうだが
アメリカ的な文化や風景への憧れやロマンチシズムがその作品の根底に流れている
戦後、昭和が終わる時代まで日本で主流であった意識と呼んでいいかもしれない

そういう美意識が、平成そして21世紀の現代の日本には
ほぼ微塵もなくなったことに、あらためて驚く
もはや欧米文化は、無条件に憧れ礼賛する存在ではない

とはいえ、永井さんや鈴木さんの作品が色褪せることももちろんなく
それらはエバーグリーンな輝きを放ち続けている

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